「群青 日本海軍の礎を築いた男」<植松三十里/文春文庫>
自衛隊に対する存在意義や攻撃も多い今、昔から専守防衛を前面に出す自衛隊に対して不思議な気持ちを持っていたのだが、この本を読んで初めて腑に落ちた気がした。武士の矜持を見せてもらい清々しいほど感動した。まるで江戸末期のドラマシリーズを映像で見ているような錯覚を覚えるほど生き生きとした情景描写、人間活写。作家の力量に感嘆の溜息が出た。江戸末期のドタバタ劇は徳川幕府から見たものが多くはなく、最近やっと江戸幕府の官僚たちの優秀さが見直されてきたところだと思う。正月の時間のある時に読めて大変幸せな時間を過ごさせていただき感謝する。男とはこのように全うしたいものだ。
常日頃の備忘録。どこかに行ったり、食べたり、本を読んだり、友と語らったり、映画を観たりしてインスパイヤーされたことなどを綴っていく個人的感想集です。タイトルは、これまで突っ走ってきたけれどまだ残りの人生があるだけめっけもんということからつけました。
2026年1月12日月曜日
「群青 日本海軍の礎を築いた男」素晴らしい本だった。
「華氏451度」読了。今、読むと感慨深い。
「華氏451度」<レイ・ブラッドベリ/ハヤカワ文庫>
アメリカでマッカーシーの赤狩りの猛威が奮っていた頃に書かれたという有名古典SF。名前は知っていたが、昔のヒューゴー賞をとった有名SFなどは思想的に重いモノも多く当時まだ若かった自分にはE・R・バローズの「地底世界ペルシダー」にワクワクし、武部本一郎描く挿絵に掲載されている50年代のカレンダーガールみたいなパッツンパッツンの女性にときめいていたのでずっと未読だった。
今回、図書館の除籍図書になったのを機に読んでみたのだが、今の世界情勢を考えると共産主義の焚書だけでなく帝国主義の焚書も十分危険なものであることがよくわかり著者の危惧を共有できたような気がする。
メカニカルな著述は古さを感じさせるが機能的な部分についてはさすがにSFらしい将来予測がなされていて十分わかりやすい。アカデミズムの無力さは今も昔も変わらないが矜持を持ち続ける気持ちは今の時代にも通底しているような気がする。
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