「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法<中室牧子・津川友介/ダイヤモンド社>データサイエンスと関連があったので読んでみたのだが、わかりやすく、しかもご丁寧にまとめのコーナーもあり、初心者には最適な本だと思う。
・メタボ健診を受けていれば長生きできるのか
・テレビを見せると子どもの学力は下がるのか
・偏差値の高い大学へ行けば収入は上がるのか
・最低賃金と雇用のあいだに因果関係はあるか
・勉強ができる友人と付き合うと学力は上がるのか
・受動喫煙は心臓病のリスクを高めるのか
・認可保育所を増やせば母親は就業するのか
こういった今、話題の問題にも明快に答えてくれるので、日頃から疑問を持っている人はぜひ読んで欲しい。
この中で最も基本的に疑問を持たなければならないのは、
原因→→→結果(因果関係) なのか
原因→(×)→結果(相関関係) なのか
ということだ。これは勉強になった。
実験には、いくつかあって、
1.ランダム化比較試験
2.自然実験
3.擬似実験
A.差の差分析
B.操作変数法
4..回帰不連続デザイン
5.マッチング法
6.回帰分析
A.単回帰分析
B.重回帰分析
などなど、いろいろ教えてくれる。
警句も掲載されている。
軽薄な人間は運勢を信じ、強者は因果関係を信じる。
-ラルフ・ウォルド・エマーソン-
マスコミ、政府発表、科学者たちによる発表、いろいろなデータを織り交ぜているが、どれも注意深く検証する必要があることがよくわかる。往々にして、前後比較デザインが多用されるが、これが最も安易で間違える可能性の高い方法論であることは覚えておいたほうがいいだろう。事象は常に移り変わっているのだから...
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