ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち<J.D.ヴァンス/光文社>
ヒルビリー・エレジー
U.S.A.ではWASPが上流階級で、デトロイト周辺が転落した中流となんとなく認識はしていたが、フォードなど自動車産業勃興のちょっと前に、鉄鋼会社アームコが田舎から出てきた若者を大量に吸収してきた歴史を初めて知った。それが、ケンタッキー州などの山奥からの転出に繋がっていたとは知らなかった。しかし、よく考えてみれば日本でも新日本製鉄の勃興後、TOYOTAが爆発的に伸びてゆくという産業歴史は全く同じだ。新日本製鉄の前進である八幡製鉄も田舎の若者を大量に雇用してきた。
アイリッシュがイタリー系とともにU.S.A.で地位が低いのは知っていたが、どのあたりに住んでいたかまでは知らなかった。しかも、アイルランド系といっても、プロテスタントのスコッツ=アイルランドとカトリックのアイルランドと異なることも初めて知った。
ドラマなどを見ていても、底辺白人がなぜ生まれるのか、そしてどこから生まれるのかを見たことがないが、この内側からのドキュメントと言っても良い本を読むことで一気に解決した。この本がずっとベストセラーを続けているらしいが、確かに今の分断されたアメリカを知る貴重な本だと思う。
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