高度経済成長に挑んだ男たち ~この国を変えた「発想」と「知恵」<小林吉弥/ビジネス社>。以前、講談社モーニングに連載されていた疾風の勇人(7) (モーニングコミックス)<大和田秀樹/講談社>とほぼ内容が同じで、この本を読む必要はなかったのだが、マンガの連載がこれから面白くなりそうだぞ、という時に終了してしまい消化不良。その続きが読みたかったので仕方なく本でも読んでみるか、という消極的姿勢で読み始めたのだ。
高度経済成長に挑んだ男たち
内容はほぼ同じで、マンガは全員イケメン風に描かれているのでマンガのほうが楽しめたのだが、本は本で少しは詳述されている箇所がいくつかあるので、それはそれで楽しめた。週刊現代の連載モノをまとめて読んでいる感はあったが...
疾風の隼人
これから、田中派(平成研究会)、大平や宮沢ら官僚出身の宏池会の活躍が続き、清和派(清和政策研究会)は福田赳夫以後、森喜朗が出てくるまで非主流派だったので、現政権から見ると悔しい場面が続く。まさしく、忖度してその直前で連載を終了しておくことにしたのかもしれない。おそらく、政権が別の派閥になったら間違いなく再開されるだろう。近代に近づけば近づくほど、教科書の記述が忖度だらけになるようにマンガも描きにくいに違いない。
宮沢喜一が池田政権を振り返って述べたものがここに引用されているが、まさしくケインズ理論を意識的、政策的に誘導したのが功績であろう。戦地から戻った男たちのあり余る労働力を都市労働者へと変え、東京五輪の後ぐらいまで完全雇用を成し遂げ、この後、経済の高付加価値が始まり、賃金が高くなり高度成長になっていった、という彼のコメントが正しいとするなら、今の状況はまさにその再現を図らんとしている現政権のようにも見える。
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