惑星ソラリス HDマスター [DVD]をまだ観ていなかったので改めて借りて観てみた。監督がA・タルコフスキーでロシアの映画であることは知っていたが、長時間と聞いていたので面倒くさいなあ、と思いながら何十年も経ってしまったので、このままでは観る機会を失ってしまうと思い立ったのだった。
で、観てみて驚愕。なに、この冗長さは!?なんで延々と景色を?海を!?そんなに水が好きなんかい!?なんで東京の高速道路が?日本語そのまま写っているし、なんで延々とロシアの絵を写すの?フェイドしか技巧がないのかよ!?実験映画でももうちょっとアバンギャルドだろ。音楽は良かった。
中身はSFと言うより哲学的といったほうがいい内容だった。S・レムの原作小説はもう少しSFだったような違っていたような、まあいいや今度もう1回借りて読み返してみよう。難解なようだが、テーマはシンプルだ。家族や愛情、生活と自然、科学と自然、アカデミズムと凡庸な価値観、ネイティブとクローンの価値、科学と神など考えさせられる両立が難しいテーマが色々含まれている。SFをフレームとして借りて作った哲学的映画と言えるかもしれない。
死んだ妻が蘇ることは嬉しくても、ちょっと何か違うなあ、というんじゃ嬉しさよりも不安と混乱がいっぱい。今の監督だったらホラー映画になっちゃうんだろうなあ。確かに当時のソ連という国の中で自分の思いのたけをぶちまけた映画を作ろうとすると、こんなややこしそうな映画になっちゃうんだろうなあ。
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