ベネッセがかなりの数の顧客情報を流出させてしまったというニュースを新聞で読んだ。さすが外資系の元社長らしく原田会長は頭を下げていないようだ。謝ったら負けだし、広告料もハンパないからどこも批判しないだろう。まあ、顧客情報を受け取った業者も裏を取るはずなので、うすうす感じてはいるもののそれなりの金を払ったのだろう。調べずに数回に渡って百万円以上は払わないからね。
ジャストシステムや他の業者もわかってて購入したのだろう。チャンス!とね。すでに購入した情報は削除した、とか言っているけれど、元情報を削除しただけで、コピーした情報は残っているんじゃないかな。情報をカスタマイズして元の情報に別の情報を加えてミックスしてしまえばいいだけでしょ。一回でもDMを送ったのだったらそれで十分と言えるんじゃないかな。
ベネッセがジャストシステムに情報を使わないよう求めたようだが、ベネッセもこれまで一回も情報を購入したことはないのだろうか?もし、ないのだとしたらなぜ宝の山であるデータの扱いが杜撰であったのだろうか?内部の関連会社だろうが、契約社員は会社に対してロイヤリティなどないのだから(たぶん...)、データの取り扱いはアクセス層を作っておくのが当たり前だし、そもそも全てにおいてログをとっているはずだ。犯人の上司はいったい何をやっていたんだろうか?それとも犯人が管理も含めた責任者だったのだろうか?
だいたい、ベネッセは経営陣が前会長と縁戚関係にある人間ばかりで占められていたから、出世も含めて社員には相当不満があったと聞いている。風通しがいいということで文系女子学生には就職人気が高いが、ある程度いると内情もわかり前時代的組織であることがわかるらしい。それが沸点に達し自分たちじゃどうにもできなくなったので、外部人材にリストラをやらせようとしたのだろうが...こうしてみると流出を隠したまま慌てて組織変更をしたんじゃないのか、と勘ぐってしまう。
さて、囲い込み戦略ばかり考えてきた企業は、昔からうまくいってた成功体験が災いしてソフトもハードもオリジナルにいつまでもこだわりすぎる嫌いがある。もちろん、そういうプレゼンテーションをこれまたハードで囲い込みたいSIerがするから洗脳されちゃうんだろうが...SIerの頭も方向転換がなかなかできないものだから、カニバリズムを恐れて現状維持的提案でやり過ごすことになってしまう。その点、後発のジャストシステムの"スマイルゼミ"は思い切ってハードを前面に出したところがミソだ。ベネッセは過去の遺産である"赤ペン方式"を完全に捨て去れないためにタブレットとの二兎を追う方式だ。
だが、どちらもなんだか相変わらずの通信教育方式に思える。別に、ハードにこだわらずアプリだけの開発でいいんじゃないの。子供のためにインターネットはロックだとか、いちいち工数を増やすようなことするから人件費がかかるんじゃないかな。オープンタブレットにするんだから大胆にリストラできるじゃない。赤ペン組織全部リストラ。コンテンツをビッグデータにするためひたすら作り続け、インターフェースはグッドデザインなアプリ化することだけに絞って、何万本と選べる講座にするだけでいいんじゃないかな。ベネッセタイプの古いところは、勉強の仕方が作る側の一方的な流れに乗せたがるところなんだよな。勉強する側の自主的な気持ちをコントロールしてナビゲイトするスタディコースになっていないんだよ。それと、科目に壁を作るのも古いね。知識は統合的なものだから、興味が持てるコースを横断網羅的に開発すべきじゃないのかな。探求学舎などの新しい流れも来ているようだし...
今、トレンドはMOOC(Massive Open Online Course)=ムークなんだから、それにあわせた作り方をすればいいと思う。教育関連企業の人たちって遅れているよね、というかなんで既存のシステムを壊す勇気がないのかな。たぶん、一度プロジェクトを組んでしまうともう後戻りできなくなっちゃうんだろうな。組織が大きいと見込み予算も大きいからね、それで金も借りているから余計に後戻りできないという構図は今に始まった話じゃなく、どこにでもある話。小さいプロジェクトをとにかく許可しないんだ。別に壊さなくてもいいけど縮小していき、全く新しい方法を並行して進めればいいじゃない。先行者のほとんどはカニバリズムを恐れ過ぎなんだよ。
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