2013年7月21日日曜日

「日本を捨てた男たち」を読んでロングステイなど考えてみた

 日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」<水谷竹秀/集英社>読了。


「日本を捨てた男たち」


 要するに出稼ぎで来日したフィリッピーナに引っ掛かった純な男たちというのだろうか。日本のシステムに嫌気が差してしまったというか、ふとしたことで零れ落ちてしまったというか、妙にラテンアジアな文化に魅了されたというのだろうか。面白かったけれど新書で十分だ。

本日の東京新聞日曜版によると(資料はロングステイ財団)、2012年のベスト10は、

1. マレーシア
2. タイ
3. ハワイ
4. オーストラリア
5. ニュージーランド

6. カナダ
7. フィリピン
8. シンガポール
9 インドネシア
10. 台湾


だそうだ。確かに、アジアはゴルフフィーなどは安いけれど、ゴルフは1ヶ月に1回でも十分だと思う。気のあった友達とやるからゴルフは面白いんだし...あと、キャディーが必ずついてくるというのもどうなんだろう。別にフィーを渡すのをケチるというんじゃなくて冗談を和気藹々言いながら歩くというのがいいんであって、芝目は左曲がり少し下がり気味だとかサジェストされてもそんなに真剣なわけじゃないし、ニギっているわけでもないし。

 老人たちにとっては言葉と食べ物が一番の心配事だろう。日本語がわかる人がいるといったってねえ、いろいろ一人で動きたいだろうし、わりと刺激的な食物は胃がびっくりしちゃうんじゃないかな、それにライスもどちらかというと硬めだし、飲み込みにくいだろう。肉は骨ごとが多いし、魚も種類が全然違うし、当たり前だけれど。

 マレーシアにはセカンドホームビザ(MM2H)というのがあるらしいんだが、この条件が、

50歳未満
RM50万(約1,300万円)以上の財産証明と月額RM1万(約31万円)以上の収入証明が必要


50歳以上
RM35万(約1,085万円)以上の財産証明と月額RM1万(約31万円)以上の収入証明または年金証明が必要


 ということなんだが、年金が31万円以上なんて大企業や地方公務員でも無理だろう。

 "マレーシアは多民族国家で多種多様の文化・宗教が混在し、異文化の宝庫である。親日的な国民、英語が広く通用し、政情が安定し、治安状況が良い。また地震がほとんどなく、台風の発生はもっと北のため、風水害が少ないという事も人気の理由である。"

 以上、ロングステイ財団主席研究員 山田美鈴 東京新聞から引用

 いちおう単一民族(実際は違うけれども)に慣れきっている日本人にとって本当の多民族というのは結構気を使うものだよ。親日的とかいっても引ったくりは日常的にあるわけだし、政情が安定しているということはそれは裏返しに言えば強権的だということだし、文化的とは言えないんじゃないかな。地震がほとんどないったって、日本人は地震にはもう日常的な自然現象になっていて慣れっこの人のほうが多いんじゃないかな、だから、外人がガタガタ真っ青になっているのを見ると不思議そうな顔をするんだろう。台風も夏には必ず来るものだと日本人は思っているし、これがなけりゃ夏じゃないだろう、とさえ思っている人はいるだろう。もちろん、農家の人にとっては死活問題なのでナーバスな気持ちになるのはわかるけれど、これが本当の長所ではないだろう。

 むしろ、家賃の高い香港やシンガポールに住むより、マレーシアに住んで通勤、通学にシンガポールに向かうというのが実利的な価値ではないだろうか。

 もちろん、さらにお金持ちの人は、村上ファンドの代表だった村上世彰氏のように、金融資産の秘密保持が強固で、他国からの口座照会も断固拒否で、最近その弱腰っぷりが著しいスイスもびっくりの情報統制金融国家シンガポールに会社と居住地を移すのがいいのだろう。法人税を17%に抑えられるし、課税所得のための費用は損金扱いできるし、その他金融特典がてんこ盛りだ

 だから、ロングステイ先として考えるより、マネーロンダリング(Money Laundering)いやいやマネーキャピタライジング(Money Capitalizing)の場所と考えるほうが説得力に分がある。


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