2013年9月27日金曜日

「イヴの総て」を視聴してみたら今も昔も芸能界は変わらないなあ、と思った

"イヴの総て [Blu-ray]"を観た。前からBette Davis(ベティ・デイビス)の出演しているものを見たかったのだが、なカナか機会がなかったのだ。

左からGary Merrill, Bette Davis, George Sanders, Anne Baxter, Hugh Marlowe, Celeste Holm
File:AllAboutEvecastpromo.jpg
AllAboutEvecastpromo.jpg ‎(598 × 432 pixels, file size: 54 KB, MIME type: image/jpeg)
Promotional image from the film All About Eve (1950).
copyright The Academy of Motion Picture Arts and Sciences (AMPAS), from Zap2it.com Movies

引用:Wikipedia

ベティ・デイビスが大女優だということは知っていたが、この映画を観て度肝を抜かれた。演技が上手い! しかも、自分自身が実生活でも気が強い中年の大女優であり転機を迎えていることを透かせたリアルな話になっている。こんな役を率先してやるなんてセルフプロデュースもなかなかのものだ。顔立ちは個性的、見ていて安達祐実を思い出した。なんとなく似ているかな、と。

それと共演者でKarenを演じたCeleste Holm(セレステ・ホルム)、この女性が可愛かった。北欧系の整った知的な顔立ちだ。共演者のAnne Baxter(アン・バクスター)もなかなか可愛くも小憎らしい演技だった。実際のところ、こんなタイプが一番コワイ女なんだよなあ。彼女、どこかで見た顔だなと思っていたら、"十戒 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]"の王女様の役で出ていた。George Sandersがいい味を出している。批評家は今も昔もインサイダーだ。

最後の会話で、ベティ・デイビスがAnne Baxterに声をかける場面で、

But I wouldn't worry too much about you heart.
You can always put that award where you heart ought to be.

copyright:Twentieth Century Fox Film Corporation(News Corporation Ltd.)

という表現が出てくるが皮肉も交えてなんとも味わい深い忠告になっている。英語の婉曲的な表現は否定疑問文などが多いように、ここでも遠まわしな言い方となっている。字幕では、"だけど、正しい心は自分のところに置きなさい"と簡潔に表現している。字幕は1行だいたい15文字という制限があるので2行が限界。こなれているとはいえないが、putの表現が難しい。価値ある賞を頂いたら、この言葉を噛み締めて精進したいものだ。

Anyway, Bette Davis is Great!!!!!!

2013年9月22日日曜日

「裁判長! ここは懲役4年でどうすか」を読んで暇つぶしになった

裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)を読んでなかなか面白かった。要は、傍聴をしながら裁判を茶化した実況なのだが、録画できればニコ動のほうが面白いが、裁判は録画どころかリアルタイムで流せないので、テキスト化せざるをえない。そういう意味では、裁判ものは出版界にとってはネタとなるだろう。けれども、この本は今なら実質のところ電子化されるべきだし価格も内容から言って新作なら300円ぐらいが妥当なところだろう。今ならディスカウントして100円だ。これで、ブックオフの値段と同じになる。


「裁判長! ここは懲役4年でどうすか」

2013年8月14日水曜日

「惑星ソラリス」を観てこりゃSFじゃないよと思った

 惑星ソラリス HDマスター [DVD]をまだ観ていなかったので改めて借りて観てみた。監督がA・タルコフスキーでロシアの映画であることは知っていたが、長時間と聞いていたので面倒くさいなあ、と思いながら何十年も経ってしまったので、このままでは観る機会を失ってしまうと思い立ったのだった。

 で、観てみて驚愕。なに、この冗長さは!?なんで延々と景色を?海を!?そんなに水が好きなんかい!?なんで東京の高速道路が?日本語そのまま写っているし、なんで延々とロシアの絵を写すの?フェイドしか技巧がないのかよ!?実験映画でももうちょっとアバンギャルドだろ。音楽は良かった。

 中身はSFと言うより哲学的といったほうがいい内容だった。S・レムの原作小説はもう少しSFだったような違っていたような、まあいいや今度もう1回借りて読み返してみよう。難解なようだが、テーマはシンプルだ。家族や愛情、生活と自然、科学と自然、アカデミズムと凡庸な価値観、ネイティブとクローンの価値、科学と神など考えさせられる両立が難しいテーマが色々含まれている。SFをフレームとして借りて作った哲学的映画と言えるかもしれない。

死んだ妻が蘇ることは嬉しくても、ちょっと何か違うなあ、というんじゃ嬉しさよりも不安と混乱がいっぱい。今の監督だったらホラー映画になっちゃうんだろうなあ。確かに当時のソ連という国の中で自分の思いのたけをぶちまけた映画を作ろうとすると、こんなややこしそうな映画になっちゃうんだろうなあ。

「図書館に訊け!」読了

 図書館に訊け! (ちくま新書)読了。図書館の利用方法ノウハウ本だった。ホテルのコンシェルジェと同じように利用しまくれ、ということだがホテルにコンシェルジェがいるのは一流ホテルだけだし、ビジネスホテルにコンシェルジェなんかいないし、同様に図書館の規模によって違いがあるし、図書館も最近は外部委託が増えていて、非正規労働者がかなり多い。要はパートの人たちが多い。また、文化会館やコミュニティ会館の一部で小規模の場合もある、地方に至っては今週の入荷図書など童話5冊だけ、という状況がほとんどだ。都会と地方はとんでもなく差があるし、著者の勤務している大学と違って蔵書や貸し出し易さに格差もある。だから、著者が言うようなノウハウを知ったところで、利用できない場所が日本にはたくさんある。都会はまだ恵まれているのだ。

  
 「図書館に訊け!」

スパリゾートハワイアンズに行く前に「フラガール」を観た

 スパリゾートハワイアンズ Spa Resort Hawaiiansとは?

 要するに福島県にある有名なアミューズメント施設でハワイアンダンスが最大の売り物、ということだった。車で常磐道を通って行ったのだが、途中間違えて茨城県の日立中央ICで降りて迷った。スパリゾートハワイアンズ自体はなんのことはない、いわき湯元ICから極めてすぐなのだが、いわき中央IC方面を日立中央ICと思い込み違いになってしまったようだ。アホだね、

 実は、ここに来る前に映画で予習をしてきたのだ。スパリゾートハワイアンズの成り立ちを追ったフラガールスタンダード・エディション [DVD]を視聴したのだ。これを事前に観ていて本当に良かった。実際のダンサーの切れのある腰に魅了された。まあ、実は運転に疲れてほとんど寝ていたのだけれど...

 ハワイアンガールズたちを育てた実在の人物、カレイナニ早川(映画の中では平山まどか、松雪泰子が演じている)さんがまだご健在で今も元気に指導されていることを知り驚愕!

 それにしても、松雪泰子は高慢な女の役は天下一品だね。映画、白鳥麗子でございます [DVD]などツンデレ女役ぴったり。ツンデレ結構、好きです。さすが幼少時にバレエを習っていただけに身体が柔らかい。

 そして、スパリゾートハワイアンズを立ち上げた常磐炭礦元社長、偉い!アンタは偉い!よくぞまあ、炭鉱から湧き出る水を利用してこんな施設を作ろうと思い立ったもんだ。上越新幹線大清水トンネルから湧き出る水を利用して作ったJR東日本のミネラルウオーター大清水などを開発した会社はいろいろ吸収合併されちゃってもはやとっくにない。それに比べるといまだ隆盛を誇るスパリゾートハワイアンズは地元住民の雇用を第一に考えた地域還元ローカルビジネスの鑑だね。音楽のジェイク・シマブクロの軽い曲調も妙に合っていて良かった。

 さて、実際のスパリゾートハワイアンズだが...実はハワイアンダンス以外はショボイ。私は、ここの施設とよく似た西の雄、Nagashima Resort ナガシマリゾートをよく知っているので、あちらと比べるとGreat!とは決して言えないのだ。旧名称 長島温泉にはジャンボ海水プールはあるし、アトラクション遊園地、アウトレットはあるし、歌謡ショウもある、しかもどれも規模がデカイ!海のすぐそばに立地しているので、拡張工事も簡単なのだ。昔は植物園もあったのだが今はないようだ。まあ、維持費の割りに人気なかったしな。

 それはさておき、スパリゾートハワイアンズだ。当日は、ボリショイサーカスの曲芸もやっていてイベントはいろいろあるようだ。プールの水はそれほど温かいわけではない。市営プール並みと言っておこう。私は老骨に応えるので入らなかったけどね。替わりに温泉に入った。和風の檜風呂に入ったらボリショイ関係のロシア人が気持ちよさそうに先に入っていた。ああ極楽、極楽、日本のリゾートはやはりこれだね。ディズニーにはこれがないから行かんよ。

2013年7月21日日曜日

「雨に唄えば」視聴してみて改めてミュージカルはいいなあと思ったりした

 雨に唄えば 50周年記念版 スペシャル・エディション [DVD] 「雨に唄えば」視聴完了。

主役のジーン・ケリーもいいが、共演のドナルド・オコーナーも実に上手い。さすが、両親がボードビリアンだけある。相手女優のデビー・レイノルズも可愛い。あのスター・ウォーズのレイア姫を演じたキャシー・フィッシャーの母親だったとは知らなかった。ハリウッド、さすがコネ強力。ジーン・ヘイゲンの悪声演技も上手いし、よく見るとやっぱり可愛い。妖艶なダンサーを演じたシド・チャリシーも魅力的な上にダンスが上手だった。カメラもその美しい脚を舐めるように映している。さすがにバレエをちゃんと学んできただけはある。

「世界が認めたニッポンの居眠り」を読んで都会の電車事情などを考えてみた

 世界が認めたニッポンの居眠り 通勤電車のウトウトにも意味があった!<ブリギッテ・シテーガ/阪急コミュニケーションズ>読了。


「世界が認めたニッポンの居眠り」


 ま、外人さんが書いたほどほどの本。新書で十分じゃないか。

 スキーの帰りにあまりに疲れ果て眠くて新幹線の通路に横たわって眠った自分にとってウトウトはひとごとではない。また、近鉄電車内で若い女性に完全に頭を乗せて眠りこけていた自分を友人が"すいません、すいません"とずっと謝り続けていたあの頃、今ならセクハラものだ。けれども、なんだかあれは妙に気持ちがいんだよなあ。