2017年6月15日木曜日

「最後の資本主義 SAVING CAPITALISM」読書中。読みやすいのだが、タイトルが硬い

最後の資本主義 SAVING CAPITALISM」<東洋経済新報社>読書中だが、ここでも最終的にBI(ベーシックインカム)の導入を推奨している。近い将来、知的活動者までもが機械に代替させられるからだ。その時、人間はもはや自分の好きなことをすることだけが残されている、などと書かれている。



最近、ホリエモンも自著好きなことだけで生きていく。 (ポプラ新書)で"好きなことをしろ"と言っているが、こうしたことを見通した上での発言だろう。



かように、世界はまさにテラナー (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-500 宇宙英雄ローダン・シリーズ 500)としてもはや500巻も出版されている主人公の宇宙英雄ペリー・ローダンがアルコン星人から高度の文明のテクノロジーを得たが、肝心のアルコン星人は毎日やることがなくて遊んでばかりという少しディストピア的になっているが、このアルコン星人への道を辿ろうとしているのかもしれない。



最後の資本主義」の著者である、ロバート・B・ライシュは楽観的だ。まあ、だいたいBI(ベーシックインカム)推進者は楽観的なんだけれどね。

「経済指標のウソ 世界を動かす数字のデタラメな真実 THE LEADING INDICATORS」読了、なかなかいい。

経済指標のウソ 世界を動かす数字のデタラメな真実<ザカリー・カラベル/ダイヤモンド社>読了、なかなか良かった。


著者はこの中で、"あるモノがどこで作られたのか、付加価値のどれだけをどの国に割り当てることができるのか。こういった判断はますます困難になっている。そもそも貿易統計は、一国を一単位とする単純な前提に基づいている。この単位は、閉じたシステムだ。外国製品が入ってきて(輸入)、国内製品が出て行く(輸出)という出入りはあっても、国民経済は、貿易の影響を受ける閉じた回路として扱われている"と、時代錯誤の前提を問題提起する。<第8章引用>

しかし、<過去と比較するために測定方法を変えられない>のも事実だ。<すべての部品とサービスを測るのは不可能>ともいう。

確かに、今は不可能だろう。だが、IoTの時代が本格的ににやってきたら、一つ一つの部品にチップが乗ることであらゆるトレーサビリティが可能になる。その時、部品の製造国がすべてクリアになり、正確な貿易指数を導きだせる。そして、その指数を手にする者が国連統計部の外部委託先になりうるどころか、国連そのものになるであろう。その者はそれには飽き足らず地球連合=地連を創設するかもしれない。世界のエリア別紛争はその時もはや無駄な綱引きでしかない。

それはともかく、現在だが、Amazonはおそらく消費者物価指数をオンラインの統計から導き出すことができるだろう。卸売物価指数も可能だろう。かなりの数の指数を提起できるから、世界中の統計担当機関の役割の一部を担えるようにさえなるだろう。

実際に、「THE BILLION PRICES PROJECT ビリオン・プライス・プロジェクト」というオンライン上の大量の在庫商品価格を集めリアルタイムのCPI(Consumer Price Index 消費者物価指数)を導き出す手法が編み出されている。Googleもこれに刺激されて、GDP指数を出したり雇用趨勢を明らかにしたり、知識労働者の生産性、果ては「Google物価指数」まで計算している。そのうち、Googleヘッジファンドができても決しておかしくはない。

ちなみに、ヘッジファンドのベスト7はビジネスインサイダーによると以下だ。

1.Bridgewater-Ray Dalio
2.Soros Fund Management-George Soros
3.D.E.Shaw-David Shaw
4.The Baupost Group-Seth Klarman
5.Citadel-Ken Griffin
6.Appaloosa-David Tepper
7.Och Ziff-Daniel Och
<Feb.1.2017 BUSINESS INSIDER>

このうち、No.1のブリッジウオーターが凄い運用益らしい。<Uploaded 24/Jul/2017>

この第5章の中で、マクロ経済学の一つ行動経済学の基を築いたミシガン大学のカトーナを紹介しているが、心理学を応用したこの考え方にふと思い出したことがある。

中学生の頃、夢中になって読み大きく影響された本に銀河帝国の興亡 1 (創元推理文庫 604-1)
がある。



当時は、創元推理文庫からしか出てなかったと思うが、今はファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)ハヤカワからも出ているようだ。




思えば、この中心人物ハリ・セルダンのせいで経済学を学ぼうと思ったような気がする。ハリ・セルダンは歴史心理学とかいう学問でもって世の趨勢、果ては地球の趨勢まで予測した上での地球脱出、新銀河帝国の構築というデカいスケールのストーリーものだったと思うが。今から、よく考えてみると行動経済学をマクロ経済へ拡大発展させた随分先を見越した学問のことだったように思う。さすが、作者アイザック・アシモフというべきか。

2017年6月14日水曜日

「「中卒」でもわかる科学入門」読了。わかりやすいけれど...

「中卒」でもわかる科学入門 ”+-×÷”で科学のウソは見抜ける! (角川oneテーマ21)わかりやすかったけれど、タイトルはいただけない。上から目線っぽい、と思ったけれど、作者の"小飼弾"さんがいつも自虐的に経歴を書いているので、そうじゃないだろうとは思ったが、やはり誤解するタイトルだ。小飼さん、意識しすぎだよ、学歴を。このタイトルは、「騙されないための科学」とか「科学とは役に立たなければならないのか?」とかのほうがわかりやすい。書いてあることはいいことなので、せめて「中学生でもわかる科学」などでいいんじゃなかったのだろうか。いずれにしろ、入門というほど事例がたくさんあるわけではないし、細かく解説しているわけでもない。見方を説明している、といったほうがいいかもしれない。だから、入門の入門みたいな。この本にも出てきた早野龍五教授の解説本があったら読んでみたいものだ。



最終章は、彼の人生観がよく滲み出ているいい問いかけだと思う。淡々と他にもいろいろな科学をたくさん紹介して欲しかった。続刊希望。ただし、科学を通した人生観や政治経済についてなどは別巻でお願いしたい。

「八十日間世界一周」を見てビックリ!

「八十日間世界一周」を見てビックリした。これは、中学生の頃、友人がTVで見て彼がひどく興奮してこの映画の凄さ、面白さについて語っていたので、そう言えば、きちんと見ていなかったなと思い直し見てみたのだ。すると、私は気球で世界一周するものばかりと思っていたのだが、なんと気球はイギリスからスペインまでで、後はずっと汽車だったり船だったりで移動するのだ。スチールも気球だったのでそんな勘違いをしたのかもしれない。友人はその後、大学で気球クラブに入り、就職後も気球を続け本当に一生を影響されるほどの傾倒ぶりだったのだが、私は"八十日間世界一周"の映画音楽はいいなあ、と思っただけで特に気球は興味が持てなかった。




で、感想なわけだが、面白かった。観光映画にもなっていて、今撮るなら全天周型カメラで撮ると物凄くリアルで楽しいだろうと思った。しかも、GPSでルートを記録すればどれだけの距離を何時間かかって通ったかとか、20日目のこの時間はここにいたとか、その時に緯度、経度はここだとか、いわゆるGoogle Street ViewのGoogle Air Street Viewができるんじゃないかと思った。

というか、FMS(FRIGHT MANAGEMENT SYSTEM)と組み合わせれば可能じゃないか。このDBにはかなりいろいろなデータが詰まっているらしいので全部アウトプットすればかなり役に立つのでは、おっとあまり無制限に出すと、ADIZ(Air Defense Identification Zone 防空識別圏)に引っかかって安全管理上、問題か?(uploaded 14/Jul/2017)

それはともかく、空中にはモノがほとんどないのでつまらないと思うかもしれないが、航空ルートはほぼ似通っているので、距離はあってもすれ違うことはあるはずだ。IMAXで見たいなあ。

しかも、主人公であるフォッグ卿よりも彼の召使いである(パスパルトゥー)のほうが活躍するではないか。フォッグ卿はデヴィッド・ニーヴンが演じている。昔、この人よく出ていたよなあ。召使を演じたカンティンフラスは知らなかったけれどメキシコの偉大な俳優、コメディアンらしい。ヒロインはシャーリー・マクレーンが演じていたとは...とにかくいろいろな有名人が出演していてそれを見つける楽しさもある。フォッグ卿のイギリス紳士っぽい描き方より召使いのパスパルトゥーの好奇心丸出し、スケベさ全開さのほうが実に面白かった。

昔の映画は面白い!



2017年6月11日日曜日

「007 ロシアより愛をこめて」のダニエラ・ビアンキは良かった

ドヴォルザークの「スラヴ舞曲 作品72の2」を聞いていたら、ちょっと「007 ロシアより愛をこめて」の挿入歌"From Russia With Love マット・モンロー Matt Monro"の曲に似ていたので探していたら私が当時「いい女だなあ~」と呟いていた、"ダニエラ・ビアンキ"が出てきて思わず嘆息。当時、ミステリーに凝っていて創元推理文庫を買い漁っていたのだが、ふと手にしたハヤカワ文庫の表紙だったか、裏表紙だったか忘れたが、とにかくそのビジュアルにやられて購入したのは間違いない。友人がめざとくそれを見て、「や~らしい」と言ったくらいだから、中学生には十分刺激的な写真だったのだと思う。

Daniela Bianchi Picture Daniela Bianchi
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経歴をよく読んでいたら、この人、ロシア人かと思っていたらイタリア人なんだね。初めて知ったよ。この歳になるまで知らなかったことはあるもんだ。

は~、いつ見てもええなぁ、ビアンキ様。このシーツの掛け具合がたまらない。ローラ北川景子に似てなくもないな。

Eva Green Picture Eva Green
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「007 カジノ・ロワイヤルのエヴァ・グリーン」も好きだが、一番はやはり、ダニエラ・ビアンキに限る!