2020年10月31日土曜日

みずほ銀行がまたまた凄い静かなリストラを社員に勧告してくれた。

 みずほ銀行がまたまた凄いリストラをやってくれそうだ。3年前にも2万人近くリストラを実施したのだがまだ足りないらしい。

今度は、給与減給だ。遂に給料に手をつけないといけないぐらい追い込まれている、とも見えるが、のんびりみずほらしいリストラとも言える。

週休3日→従来の週休2日の8割
週休4日→従来の週休2日の6割

増えた休日→自費でリカレント教育
→自費で育児、介護と仕事
→自ら副業、兼業(2019年から認めている、ただし、他社雇用は不認可)

副業が自主的な請負かマッチングサイトを通じた請負か、微妙な請負契約は判断がつきにくいので結局、自分で判断しろ、という責任放棄にも見える。

何割か給料を引くということは、基本給が割り引かれるのだろう。となると、ボーナスなどの一時金や将来給付される年金なども少なくなる、ということをみんな理解しているのだろうか?

これは、体のいい社員の非正規社員化ではないのか。つまり、少数のコア社員以外の者はもうパートタイムで十分だ、と言い切ったわけだ。まあ、そう言わないで「はやりの副業、兼業をしてもいいですよ、能力のある人はどんどん大いにやって下さい。それ以外の人は、早くもう一つか二つ仕事をしないと近いうちに本業もなくなりますよ。」とソフトに退場を促したのだ。

さらに、

リモート化で通勤日が減る→通勤手当なし。実費精算
家からリモートで会社と連絡しろ→自宅の会社化にお金は出さない

実費精算は最初に自払い、ということだ。これはかなりズシンと突き刺さる。給料から手もと現金を先に抜くという行為は、給料を全額妻や家庭に渡している人にとってはなんとも面倒くさい行為だろう。たとえ仕事のお金だとしても、いちいち理由を言わなければならない。また、自宅の一部分の背景を映像でお互いに見せ合うというのはかなり気を使う。ファミリーノイズ、背景、自分の見え方、特に気になるのがファミリーに対する気遣い、これはストレスだ。このストレスに対してお金をほんの少ししか払わないのはおかしいだろう。郊外への引越し代やリニューアル代、外出先のたとえば、富士ゼロックスが展開する個室型ワークスペース「CocoDesk」の金を定期券にしろよ、と言いたい。
(updated on 9 Nov,2020)

在宅勤務ということで、平日にブラブラしているパパさんを街でよく見かけるようになった。別に悪いことではないと思うが、自宅を擬似オフィスとして使用せよ、というのだったら冬は寒いのだから光熱費の1/3ぐらい、賃貸住宅の1/4、通信費の1/5、必要なハードウエアは会社支給、これぐらいは補助すべきじゃないのか。地方は寒冷差があるとはいっても冬は沖縄を除けばどこでも寒い、北海道は寒冷地手当てとして灯油代を出す会社も昔多かったのを覚えているが、今でも行われているのだろうか?

会社はこんなこともせず在宅勤務とかちゃんちゃらおかしい。しかも、デジタル以前の会社が在宅勤務など意味ないだろう。それでいて専門職を作って変革だとか笑わせるぜ。


富士通が「働き方改革 Work Life Shiftでニューノーマル時代をリードする」とか言っているが、この会社、昔同じことを言って大失敗しているからなあ。また失敗するだろう。そもそも、富士通に入社した時点で新入社員の心構えがスタートアップと大違いだからカルチャーの変革など無理だ。無理にやると、コンプライアンスがぐずぐずに壊れるぞ。こんなことをやる暇があったら、もはや崩壊しているベンダー制度をどうするべきかよく考えろよ。まあ、認識しているからこそ、リッジラインズ株式会社というITコンサルの新会社を人事制度を全く別物にして立ち上げたのだろうけれど。富士通総研じゃ人材からいっても無理だったんだろうなあ。電機業界というのは真の意味でマーケティングそのものを軽んじているし、経営工学的なアプローチが本当にできないし製造業からどうしても脱皮できない。

パソナグループが、日経新聞によると「大企業で働く50歳以上の現役社員の転職や起業を支援する事業を始める」らしいが、大企業と組んで体のいいリストラの促進というやつだ。私に言わせると、これをするなら50歳以上とか年齢限定せずに、取締役以下社員全員としてほしいものだ。そもそも、50歳以上にどういう意味があるのか、入社する前からそういう意識付けをしないといけないだろう。そうすることで日頃から態度が違ってくるというものだ。突然言われても困っちゃうよな。逃げ切りでいいよ、と考えるやつが必ず出てくるから。(22/Mar/2021 Uploaded)




「世紀の大博打 仮想通貨に賭けた怪人たち」読了。久しぶりにワクワクした。

 世紀の大博打 仮想通貨に賭けた怪人たち BITCOIN BILLIONAIRES」<ベン・メズリック BEN MEZRICH/文藝春秋>


文藝春秋書籍サイトより

読了。久しぶりにワクワクした本だったのだが、新聞の書評に全く出てこないのが不思議だ。完全なドキュメンタリーじゃないからだろうか。そうだとしても、現在進行形の話は十分楽しかった。

優れたマーケッターのウインクルボス兄弟(双子)がスタートアップの若き天才社長の気まぐれに戸惑う物語と言ってしまえばそれまでなんだが、マネーを解放するというビットコインの本質からどんどん離反していく若きエンジニアの苦悩とも言える。

インターネットも人類の知恵の共有という理想からリアルをなぞるバーチャルワールド、そして資本の狩り場となってしまったように、ビットコインもリアルマネーをなぞっているように思える。

そういう意味では、ウインクルボス兄弟たちのビットコインに対する興奮を伴った賭けは、インターネットで儲けそこなったリベンジプレイとも言えるのでそこはよく理解できる。彼らはこれからずっと勝ち続けなければならない。だから、今日もビットコインは力強く上昇している、と喧伝するのだ。古い製造業やサービス業の資本家たちが市場から退場していったように、今度は古い金融業や政治家たちが退場していく番なのだ。

ただ、ウインクルボス兄弟の残念な点はビットコインを古い金融街の住人たちとその投資家に認めさせようとしていることしか我々に伝わってこないことだ。兄弟の理念は何なのだ?

What is the brother's philosophy?

世界を変えるのがビットコインだと思ったのなら、金融そのものの概念を変えるために何ができるのか、ということを考えなかったのだろうか?なぜ、古い金融マーケットにプレゼンするのだ?金儲けの前にもっと根本的にすることがあるだろう、と思うのだ。そこが、実利主義者である彼らの物足りない点だ。Facebookの時もそうだが根本的に技術で世界を根底から変える、という理想がないような気がする。優秀なアイデアを秀逸なビジネスに変えるだけの単なる優秀な実務者にしか見えないのだ。壮大じゃないんだよ。ちっちゃいんだ。ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の価値の上層しか見ていないような気がする。もちろん、価値を見出しそれに投資したのは先見の明があるとは言えるが、彼らの活動はその投資価値をさらに上げるためのものにしか見えない。言わば、不動産価値を上げるためにその土地の宣伝を一生懸命する不動産屋に見えてくるのだ。悪く言えば、暗号資産(仮想通貨)界の地上げ屋みたいなものか。

スポーツマンである彼らは意外とスポーツマンシップに基づいたわりといいやつらであることはわかったが、ビジネス界のスポーツマンだけではやはり物足りない。

世界は現在、コロナウイルスによるパンデミックの真最中だ。民主主義、資本主義、共産主義、独裁主義など各種イデオロギーは全て行き詰っており国同士はおろか国内で混乱、対立、分断を生み出している。

これは新たなイデアの産みの苦しみとでもいうものかもしれない。それは、SDGsのような単なる環境主義なのか、地球政府とでもいうような連合体なのかわからないが、権力は持つが未来を理解できない大人たちが居座り続ける限り混迷はしばらく続くだろう。次世代の子どもたちにとっては辛い時代がしばらく続くかもしれない。いや、すでにそういうエリアは出現しておりそれが自分たちにまで及ぶのをただ傍観しているだけなのだろう。

あなたはどっちに賭けるのだ?と彼らは我々に問いかけているように思う。彼らはBTCに賭けた。が、しかし、その賭ける先の意味を彼らもわかっていないようだ。それを彼らに求めるのは筋違いなのだろう。そんなことはどうでもいい、と思っているに違いない、無給の伝道者じゃないのだから。(updated on 9 Nov, 2022)