2017年7月6日木曜日

近鉄不動産の無策ぶりには呆れる

先月から名古屋に行っていたので、近鉄沿線にある富吉に昔から住んでいた身としては沿線の盛り下がりぶりを見るのは痛々しいのだが、乗車せざるを得ないので仕方なく寂れた商店街を通る。




中学生の時に商店街でただ一つの本屋「春峰堂」はとうの昔にシャッターが下りている、それどころか完全撤退のようだ。以前は、国道一号線沿いにロードサイドの本屋を出店していたようだがそれも閉めて他の店になっている。売却したのかもしれない。ここの店主のおばさんにはよく怒られた。上村一夫同棲時代 (1) (双葉文庫―名作シリーズ)が連載されている双葉社の雑誌を立ち読みしていると怒られ、ハヤカワのSFマガジンやミステリマガジンはSMマガジンと隣りあわせて置いてあったので手に取るだけでドキドキもんだったのを良く覚えているが、このSFマガジンを立ち読みしている時も一応抗議はしたが一度だけ怒られた。後で、店主もエロい雑誌ではないことに気が付いたらしく、いつのまにかSMマガジンだけ別の場所に移動した。果ては、当時ベストマガジン社から出ていた「HOW TO SEX」が大ヒットして、好奇心旺盛な中坊だったから当然立ち読みしていたら、これまたこっぴどく怒られた。「中学生がそんなもの読むんじゃない!!!早過ぎる!!!」とかなんとか。顔を赤くしてその場をいったん立ち去るのだが、どうにも好奇心を抑えられるはずはなく、再度同じ場所にやって来るのだった。今、考えるとこの本屋には当時付き合っていた(というほど濃いものではなく淡いものだが)彼女も立ち寄っていたわけで、それを考えるとそんな本を読むのは憚れるものだが、やっぱり抑えられなかったのだろう。最近、よく一緒に旅行する当時人気者だった友人がふざけて彼女の胸をセーラー服の上から揉んでよく怒られた、というのを聞いて、なんで自分はそんなことができなかったんだろうと後悔した。実際の行為まで想像が及んでいなかったのだろう、まさに中坊。


  近鉄富吉駅にて

ところで、近鉄をはさんで向こう側は実は蟹江町なのだ。この富吉周辺はいびつな地域割りになっていて、平成の合併で愛西市になる前の海部郡だった時代からまるで富吉だけを取り込むようにして蟹江町になっていない。

愛西市は海部郡だった佐屋町、立田村、八開村、佐織町が合併してできた市だ。隣りにある弥富市は、同様に弥富町、十四山村が合併してできた市だ。弥富市は昔から少なくとも市になりうるだけの規模はあった。ただ、町自体は田んぼばかりだった愛西市と違ってごちゃごちゃしている。それだけ、お店が密集しているとも言えるが、隣りが揖斐川、木曽川で橋を渡るとすぐに桑名、四日市だ。毎日のように、トラックや通勤乗用車が通るので橋を挟んで年がら年中渋滞なので国道一号線を走りたくないほどだ。だから、私は新しくできた高速道路の下の道を走って弥富市に行く。いちおう、イオンタウン弥富なるものができていて、まがりなりにもついでシュッピングが可能だからだ。

ここには、ザ・ビッグエクストラ弥富店というディスカウントスーパーマーケットがあり、朝7:00から夜遅い22:00まで営業している。イオンのPBも仕入れており価格がとても安いので、この地域でイオンのPB商品を購入できるのは嬉しいのだが、イオンカードが連携していなくてポイントが増やせずどうにもちぐはぐだ。しかも、ダイエーのディスカウント店「Dマート」(昔、南行徳にもあった)「ビッグ・エー」、あるいは長崎屋の「ビッグ・オフ」にも似たなんと表現していいのか、ディスカウント特有の物悲しさが漂う。長崎屋本部があった東日本橋店が懐かしい。赤坂にもあってお世話になった。この長崎屋の仕入れ先の多彩さがドン・キホーテの躍進に役立っているのは間違いないだろう。

また、店内の雰囲気もディスカウント店らしく殺伐としている。総じて、ディスカウント店というのはローコストのため店員が極端に少ない割に店内がやたらだだっ広くて余計に悲しい気分にさせる。ショッピングを楽しめないのだ。その点、驚安の殿堂 ドン・キホーテは楽しめる商品を用意しておいてくれる。ヤマダ電機ケーズデンキには絶対置いていないどこの国のメードインなんだからわからない4Kテレビを驚きの価格で展示してくれていたり、アダルトグッズも扱うし、食品ではブラジル原産のインスタントコーヒー、たとえばネスカフェを大量販売していたり、パーティーグッズと称してコスプレ衣装も豊富だ。ヤンキー向けのベーシックな衣料品も抜かりない。自転車は作業員が可愛そうなぐらいの狭いスペースで組み立てていたりする。もちろん、トイレなどあるにはるが屋外だ。昔のガソリンスタンドか地方のホームセンター並みの合理性だ。

先月、宮崎にも行っていたのだが、MEGAドン・キホーテ都城店を見かけてびっくりした。どうやら、全国で居抜きの物件にドン・キホーテを出店させているようだ。名古屋市内でもいっぱい見かけた。

さて、愛西市は佐屋町と佐織町ぐらいがかろうじて町っぽくて、立田村、八開村などは農家ぐらいしかなかったので、やたら広域な市にはなったもののまるで津島市を囲むようになってしまった。あま市は同様に七宝町、美和町、甚目寺町が合併してできた新しい市だ。この市は名古屋と稲沢市に挟まれており、仕事や生活の面では恵まれている。ベッドタウン化していると言える。SONY稲沢サイトがあり、地域の雇用を支えている。SONYの一宮工場はリストラで稲沢に一本化された。稲沢工場ではSONYの液晶テレビ"BRAVIA"を製造している。今、有機ELテレビを開発しているけれど、その時、稲沢工場はどうなるのだろうか。工場跡地は一宮跡地をコナミが買ったように、どこかには買収されるのだろうが、雇用人数が激減するのは間違いない。

飛島村は、高速東名道路の支線である伊勢湾岸道路と愛知県豊橋市から三重県伊勢市へつながる一般国道23号線、別名"名四国道"を上下に挟み、さらに国道一号線も名四から近いという物流工場を作るには持って来いの場所だ。だから、村の財政は揺ぎ無く、合併などしなくても全く問題ない。平成の合併の時に、この飛島村と蟹江町と弥富町が新しい名前の市の下に合併しようという動きがあったそうだが、弥冨町が古い町のプライドで名称を弥冨市にすると意見を翻したため、これに怒った飛島村を蟹江町がなだめきれずご破算となったようだ。蟹江町は蟹江町で名古屋市に入れてもらえるよう二面作戦を取っていたため、意志薄弱な結果として、ゼロメートル地帯で地下鉄さえ乗り入れてない地域に名古屋市がyes、というはずはなく袖にされて後の祭り。蟹江町は開発地域はもはや関西線蟹江駅の上部である北部あたりにしか残されていず税収を伸ばす種が全くない。一方、愛西市は東名阪高速道路が開通したおかげで、物流のアクセスが格段に良くなり、物流工場が続々稼動。税収が比較的楽になった。世代交代により農地転換も楽になり広いまとまった田んぼを工場建設地にすることが可能になった。佐川急便の広大な佐屋営業所もこの東名阪高速道路佐屋インター近くにある。

飛島村の施設は余裕たっぷりの税収にかまけて贅沢だ。村のすこやかセンターは「保健センター」、「温水プール」「トレーニングルーム」「図書館」「地域包括支援センター」「児童館」と6つの施設を集合させた複合施設だ。ゴージャスだ。もちろん、「飛島聖苑」という葬祭場、霊安室、火葬場セットになった公による霊安センターもある。いわゆる箱モノに関してはもう作るモノがないぐらいある。人口5千人にしては過剰と言えるが、工場で働くいわゆる昼間人口を入れると、少々古いデータだが、平成18年で企業数は638、従業者数総数は1万人を超える

さて、富吉駅前ロータリーの寂れ様だが、和菓子屋を除くほとんどが閉店。よく写真を現像してもらった写真屋さんは家ごとなくなり平地になってしまった。この写真屋さんは家の一角に小屋を建ててそこでお客さんの現像依頼を受けていたのだ。写真が心の底から好きなおじいさん?で、子供もいないせいだったのだろうか、よく中学生の私たちに写真の撮り方などを指導してくれた。自分で撮ったであろう風景写真を飾っていた。いつの間にか亡くなっていたようだ...

向かいには"樋口医院"という内科医がいたのだが、最近看板も取り外されていたのでようやく引退したようだ。口の悪い母はこの樋口さんをヤブ医者と呼んでいた。診察時間外?ギリギリ?に来院したら、どうもすでに一杯ヤッていたようで、赤い顔にイイ気分のまま、診察して注射を打ってくれたのはいいが、手元が少々狂い腕が腫れたりしていたことがあったからだろう。まあ、かかりつけ医院なのだから仕方がないとは思うが...気のいい優しいお医者さんだった記憶しかあまりないのだが...跡取りがいなかったのだろうか...

駅下にはオーディオ ウサミがあって、私たちにオーディオの薀蓄を聞かせてくれたものだが、ここも二代目にいつの間にか代替わりしたようだ。改装して綺麗になっていたのは良かった。普通の家電品を売るのではなく、高級オーディオに特化して売っていたからこそ生き残れたのかもしれない。

以前はスーパーマーケットもパチンコ屋もあったのだが、今ではどちらも潰れてしまった。スーパーマーケットに行くのに、駅のエレベーターを使って国道一号線の向こう側に出て、アオキスーパーで買い物をするか、自転車で川を越えて蟹江にあるピアゴバローの店で買うしかない。途中に蟹江町図書館ができたのはちょっと嬉しい。ただ、こんなふうになる前に、近鉄不動産に何とかして欲しかった。今では、売却予定の不動産はございませんか、という近鉄不動産のチラシが入るだけなのには心底ガッカリだ。







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