2017年7月29日土曜日

「フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方」読了。医学業界のブラックぶりが窺えて面白かった。

フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方 (光文社新書)<筒井冨美>医学業界のブラックぶりが窺えて面白かった。口述筆記なのではと思わせるぐらい、若者言葉がふんだんに入っており、大変読みやすくずいぶん若い感性の持ち主だなと思った。


「フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方」

「ドクターX」というドラマの制作にも協力しているからなのだろう、業界ノリ的な男前のテンポの良さがある。フリーランスとしても活躍されているので、プロの矜持も感じられる。お医者さんの興味ある業界話を有料講演か有料トークライブで聞くようなそんな文章だった。ほとんど資料が出てこないので、いくつかの話は聞き伝え、見聞きもあるようなので、多少割り引く必要はあるが、インパクト重視ということなのだろう。

同性の腰掛け女医には手厳しかった。

人工授精に関しては私の周りでも受けた、とか、おかげで産まれた、施術料が高くかかるので、引越しして親と同居することにした、などよく聞く話なので、多少知ってはいたが、自由診療だから高いんだ。それでも、多胎妊娠になって四つ子が産まれたとか、子供ができなくて奥さんが身を引いて離婚し、その後再婚したら続けて子供が産まれた、とかいう話を友人から伝え聞くといろいろ切なくなる。

本文中、ドラマの主人公が喋るセリフのようななかなかいい文章があったので引用する。

"解雇とは別れであるが、終わりではない。「解雇規制緩和で医師を解雇しやすくする」=「転職・再就職しやすくなる」と考えるべきである。解雇は敗北ではなく失恋のようなものである。「生涯を共にするつもりのない相手は、少しでも若いうちに別れを告げる」のが、せめてもの誠意である。解雇とは、人生設計を見直して成長するチャンスでもある。無駄に執着したり相手をなじったりするよりは、「縁がなかった」と頭を切り替えて少しでも若いうちに次を探した方が、最終的には早く幸せになれるものである。解雇とは、より自分にぴったりの新天地に出会うためのステップと解釈するべきなのだ。"

いやはやこの気風の良さ、惚れ惚れする。CHANGE!!!っていうことだね。



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